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多事雑言

日常の出来事などについて、無責任に記述していきます。

続 だったら、あなたが派遣社員として働いたらどうですか?

 

huwahuwasan.hatenablog.com

で取り上げた『やりたいことを仕事にするなら、派遣社員をやりなさい!』の記事がまたあった。

 
このインタビューがいつ行われたのか分からないが、また何を言ってるんだと思った。
――派遣社員には「不安定」というイメージがありますが、
大崎さんは本書の帯で「実は安定、実は勝ち組」と言っています。
まずはこの理由から教えていただけますか?
と質問されている。
安定してなんかいないよという私の主張は前回書いた。
しかし、この本の帯に「実は安定、実は勝ち組」
もう、何を言ってるのだろう。
もし派遣労働が勝ち組というのなら、「不本意派遣就労」などというものは存在しないはずだ。
 

「非正規雇用」の現状と課題 - 厚生労働省 [PDF]

という厚生労働省の調査によれば、

不本意非正規(正社員として働く機会がなく、非正規雇用で働いている者)の割合は、

平成27年平均で全体の16.9%だそうだ。

思ったより少ないように見えるが、この調査は非正規雇用全体を対象にしていて、

パート、アルバイト、嘱託なども入るということで少なくカウントされると思われる。

また、近年非正規雇用労働者に占める65歳以上の割合が高まっているのだが、

この場合不本意派遣社員あるいは不本意非正規である可能性は、

他の年代よりも少ないと想像できる。

 

少し古い資料であるが、不本意非正規についての調査があった。

経済の好循環実現に向けた政労使会議(第3回)樋口美雄委員提出資料 [PDF]

これは平成25年11月5日(火)の経済の好循環に向けた政労使会議で

慶應義塾大学商学部樋口美雄教授が提出した資料である。

これで見ると不本意非正規の比率(派遣社員)は、38.4%だそうだ。

これが勝ち組の数値と言えるのだろうか?

 

しまった、最初のインタビュアーの質問だけでこんなに書いてしまった・・・。

 

大崎:「派遣は不安定」と言われますが、実際には言われているほど不安定ではないと思います。
派遣社員はまず派遣会社に登録してから、仕事場となる企業に派遣されます。
だから、派遣先での仕事が終わっても、派遣会社は基本的に次の仕事を紹介し、
なるべく長く働いていただける環境を整えています。
 これは正しそうだ。
全く派遣実績のない人よりも、少しでも実績のありかつどのようなスキルを持っているのか、
勤怠は良好かなど、実際に働いてみないとわからない部分も分かっているので、
派遣会社としては実績のある人の方が安心なのだ。
 
しかし、
また、ひとつの派遣会社はひとりの派遣社員に対して平均して4つの仕事を紹介し、
1人の派遣社員は平均して4つの派遣会社に登録しているともいわれています。
だから、1人の人の周りには常に16個ぐらい仕事が紹介されて、
派遣会社同士で勧誘し合っている状態なので、派遣社員は、自分の希望を踏まえて、
次の仕事を選ぶこともできます。
これは嘘だ。
確かに1人の派遣社員になろうとする人は、複数の派遣会社に登録していることがほとんどで、
その会社から複数の仕事を紹介してもらえる。
しかし、その紹介は、対象者を一本釣りするような比較的確度が高そうなものから、
メールで大量にばらまかれるものもあるので、16個のうちいくつが就業につながるのか
分からない部分が大きい。
そして派遣会社同士で派遣社員を勧誘しあっているのだが、
派遣先でも複数の派遣会社が入り込んでいるので、ここでも競争が発生する。
仕事に対して自分の希望は伝えられるし、希望に合わなければ断ることはできるが、
あまり断るようだと紹介してもらえる可能性が低くなるし、
職種によってはそもそもその職種自体の枠が少ないから希望が叶うとは限らない。
 
これで、
これは見方によれば、1つの会社で勤務しているより、安定しているといえるのではないでしょうか。
は無理がありすぎる。
これは後のいわゆる派遣切りなども含めて無茶苦茶な理論だ。
そして、

 1つの会社で長年勤務していても、その会社に万一があれば、その人は、

次の仕事のあてがないまま失業してしまいます。

また、自分の希望している仕事や環境でもないのに、次のあてがないため、

我慢して働き続けている人も多いと聞きます。

 これは、派遣社員も同じだ。

派遣社員の長年は今後3年以内になるのだろうが、契約期間終了後、必ず次の仕事を

即座に決定できる補償は全く無い。

次のあてがなければ我慢して働くのは派遣社員も同様だ。

 

リーマン・ショックでの不景気で派遣切りが社会問題化し、

派遣に対するネガティブなイメージを決定づけたというインタビュアーの質問に大崎氏は

 あれは痛ましい事件でした。ただ100年に一度の大不況ともいわれた中、

あのとき仕事を失ったのは派遣社員だけではありません。各種の統計を見ても、

あの時急増した失業者のほとんどが派遣社員だ、という意見には無理があります。

どの雇用形態であったとしても等しく仕事を失うリスクに直面していた時代でもありました。

だから「派遣切り」という言葉に引っ張られ、職業の選択肢から外してしまうのは、

本当にもったいないと思います。

 確かに派遣社員だけが職を失ったわけではないが、真っ先に切られるのは派遣社員などの非正規雇用だ。

これについては、どのように説明するのだろうか?

正規雇用の社員も仕事を失ったが、非正規雇用ほど簡単には切ることはできなかったはずだ。

従って

どの雇用形態であったとしても等しく仕事を失うリスクに直面していた 

 というのはおかしいだろう。

この後大崎氏に今後の経済の大きな落ち込みについての対策を聞いているのだが、

例えば、私の会社の場合ではエリア戦略をとり、派遣先も派遣社員も、

特定地域(東京都大田区)になるべく集中して職住近接、家の近くに働く場所がたくさんある、

という状態をつくることを心がけています。

そして、ところどころに研修センターや事業所を開設し、当社の派遣社員であれば

当社の事業所の社員として「雇う」こともしています。

どういうことだ?

地域密着型の派遣というのはおもしろいのだが、

当社の派遣社員であれば

当社の事業所の社員として「雇う」こともしています。

 は、よく分からないが、その後にこうあった。

 もしも大不況が来て仕事が極端に減ってしまった場合でも、そこでみんなで働こう、

一種のワークシェアリングという形ですね。

私はこれを「日本版PEO(Professional Employer Organization)」と呼んでいて、

派遣会社に雇用され定年まで働き続けられる仕組みをつくりたい、

それに共感いただける方とはどんどん連携して、日本各地にその仕組みをつくっていきたい、

と思っています。

 ワークシェアリングという形で社員として雇用するということなのだろう。

ただし、社員は正規雇用なのか非正規雇用(契約?バイト?パート?)か分からない。

それに社員として雇うことができるのなら、最初から社員として雇えないのだろうか?

請負にしてしまうと、1人請負派遣が発生するから請負にはできないのだろうか?

派遣社員は時給精算である。

仕事が少なくなったのでワークシェアリングしようというのは、

すなわち自らの収入減を意味するので、これに共感する派遣社員がどれだけいるのだろうか?

あくまで正規雇用の人をワークシェアリングすることで負荷を減らせることが

ワークシェアリングのメリットではないだろうか。

 

 働く人の価値観も多様化し、家庭と仕事の両立や、プライベート時間を確保するために、

あえて短時間や短期間での就業を望む人も増えています。

また企業を取り巻く環境も変わり、正社員だから必ずしも安定、必ずしも幸せとはいえない

世の中になっています。だからこそ、新しい働き方の形を構築しなればなりません。

私はその可能性を派遣という働き方の中に見出しています。

ここで言っている働く人の価値観の多様化や、短時間勤務・短期間就労を望む人も多く、

そのような人が派遣労働を選択することは否定しない。

正社員が安定とは言い切れないのも分かる。

しかし、派遣労働は不本意非正規にとって様々な面で屈辱的で、

経済的にも不利益しかなく、社会的信用でも劣る働き方なのだ。

もう1度言いたい。

 

大崎玄長さん、あなたが派遣社員として働いたらどうですか?