多事雑言

日常の出来事などについて、無責任に記述していきます。

プリントください

公立高校を受験する人ははもう少しで試験だろう。

地域によって違いはあるが、2月下旬から3月中旬に行われる。

国公立大学の2次試験も前期日程が近い。

多くの人は過去問をやったり、その類題などをやったりしていることだろう。

その問題を自分で準備する生徒もいれば、塾の講師に丸投げする生徒もいる。

日頃授業を担当している講師ならば、ある程度弱点を把握しているので、

これをやってみたらと問題を渡すことができる。

あるいは、自分でここが弱点だと分かっていてそこを潰したいという生徒もいる。

ピンポイントでこの単元の問題がほしいと言ってくる。

それは素晴らしいとは思う。自分の弱点を知っているというのはよいことだ。

前に講師に丸投げと書いたが、どんなことをやったらよいのか分からないという生徒もいるので、

講師に選んで欲しいというのも分かる。

それは構わない。その為に指導者がいるのだから。

 

ところで、問題を解きっぱなしにしてないですか?

過去問と全く同じ問題は出ないかもしれないが、まずは過去問で扱ったことをベースに

抜けている知識などがあればそれを補充してほしい。

同じ問題は多分同じ学校では出ないが、それでも問題を解いて答え合わせして終了では

ほとんど力がつかないと思う。

自信を持って正解した所はよい。

問題は、なんとなく正解したところである。

なんせ、正解したものだからそこを見直さない生徒は結構いる。

これは本当によくない。

今回たまたま正解しただけで、次に同じような問題が出題された時間違う可能性は高い。

誤答した所は見直す。これは当然だ。

試験直前に新しいものにあれこれ手を出すのは得策とは言えない。

穴を塞ぎきれていないのに、新たに穴を広げる可能性がある。

多くの問題に当たったほうが穴を多く発見できて良いのではないか?と言われるが、

既に見つかった穴を塞いでいないのなら、穴を見つけるだけでは意味が無い。

そして何より、穴が見つかりまくって不安を増長させるのはよろしくない。

 

だからといって全問正解しなければならないわけではない

学校によって考え方も違うので一律には言えないが、

合格者全員が満点を取って入学しているのではない。

学力試験のみで判定する学校もあれば、調査書や面接を加味する学校もある。

しかしいずれにしても、受験生の中での相対評価が多い。

多くの受験生が満点を取ってしまう学校ならともかく、そうでなければ合格点を取ることができれば、

入試には合格できるのである。

学校としてはできれば定員は埋めたい。

しかし、定員に届かなくても、あまりにも学力などで無理がある生徒を不合格にすることはあり得る。

ちなみに、全員が満点を取ってしまうような試験では、試験の意味をなさない。

入学者を選抜するための試験なので、自校が欲しい生徒をターゲットにして問題を作るはずだ。

そして、ある程度差をつけるために、やや難しい問題を入れてくることもある。

十分な力があるのなら、難しい問題にも対応したほうが良い。

しかし、そこそこの力であるのなら、不合格にならない程度に捨て問題があっても悪くはない。

難しい問題に固執するよりも、確実に取れる問題で絶対に落とさないことの方が重要だ。

何度も言うが、あくまで受験生の中での相対評価によって決まる方が多いのである。

 

私はベテラン講師でも、人気講師でもないのであまり説得力がないかもしれないが、

入試までの残り期間や自分の状態を鑑みて、試験当日までをどう過ごすかを考えてほしいものである。

 

プリントの話はどうした?

そうだった。

プリント(と言う名の教材のコピー)を渡すのは簡単である。

著作権上の問題はあるが、学習意欲があり新しい問題にも当たりたいという生徒に、

「いやいや、これまでの解き直しだけしてなさい」とは言えない。

しかし、生徒には新しい問題を渡されて安心することだけは避けて欲しいと思う。

一方で講師側には、安易にというか言われるがまま適当になにか問題を与えておけば良いという考えは

捨てて欲しい。

それまでの問題で出されたことが身についているかは常にモニタリングして欲しい。

 

生徒の皆さんもまずはこれまで解いた問題と

同じ分野、近い分野の穴が塞げているか今一度振り返ってほしい。

人間は忘れる動物だ。

記憶を定着させるためには、何度もその問題や類似の問題に繰り返し触れることが大事だと思う。