多事雑言

日常の出来事などについて、無責任に記述していきます。

今勤務している塾を退職しようと思った理由

看板に偽りあり

  1. 5科目専任の講師がいる
  2. それぞれの大学等での専門を考慮すれば5科目に分類した時に、それぞれの教科の講師はいます。
    が、数学専攻の講師が理科を担当することはあります。
    この時点で専任だとは言えないのではないかと・・・。
  3. 中学生の定期試験対策を学校別にしています
  4. 確かに中学校別なのですが、これをすると学力(習熟度)を無視した授業になります。
    同じ学校の生徒が多ければ1クラスでまとめられるのですが、
    少ないクラスもあり、そうなると少人数の学校を集めて1クラスにすることもあります。
    あるいは試験範囲が近ければ、人数の多い学校のクラスにくっつけてしまうこともあります。
  5. 特別講習は主任講師以上が担当します。
  6. 社員は自動的に主任以上になります。
    時間講師の方を副主任にして、特別講習を担当させます。
    と、ここまではまだ体裁を保っているのですが、
    そうでない講師(肩書のないヒラの講師)も特別講習を担当します。
  7. 学生の時間講師はいません。
  8. います。
    多分、「学生は頼りない」と保護者が思うことの対策だと思われますが、
    実際にいます。1人とか2人とかいうレベルではありません。
    学生の時間講師でも、教え方がうまいよい講師はいくらでもいます。
    責任感が・・・みたいなことを心配されるのだと思いますが、
    確かにテスト前や長期休暇に休む学生講師もいますが、それほど多くはありません。
  9. 成績の悪い生徒は途中で見放す
  10. 私立中学と公立高校の合格率というものを重視しているようです。
    私立中学は進路指導が塾のみで、選択肢も多いのでそれほどどこにも合格しないという事態はないです。
    また、私立中学に入りたいということが優先されるので、成績が芳しくない場合
    志望校のランクを下げることはそれほど困難なことではありません。
    一方高校入試の場合、公立高校に入るということを優先した場合、
    1校しか受験できないので、不合格になるのは本人にとって非常にダメージが大きいです。
    そして、塾としてはそれよりも、公立高校合格率が下がるという事を招きます。
    これを防ぐには、
    1. 公立高校を受験させない
    2. 私立単願となるように進路指導します。
      そうすれば、公立高校を受験しませんから公立高校合格率というものを合格率に影響しません。
    3. どこかのタイミングで退塾させる
    4. これが、私に一番堪えた対応です。
      どこかまでは授業を受けて、成績の向上を図るわけですが、
      模擬試験の結果や、過去問の演習などでの様子を見て無理だと判断すれば、
      退塾させます。
      これによって、合格発表時の合格率に影響を及ぼさなくなります。
  11. 担当講師が頻繁に変わる
  12. 講師の人数などの都合もあるのですが、頻繁に担当講師が変わります。
    上位クラスはそうでもないのですが(たまに代講が発生する程度)、
    下位クラスは結構変わります。
    まず、下位クラスの担当は経験の浅い講師や時間講師が担当する事が多いです。
    しかし、体験入塾の人が発生すると経験のある講師がその時間だけ担当します。
    また、年中講師は募集しているので、玉突き的に講師が変わることがあります。
    その結果、継続的な指導が非常に難しいです。
    講義内容の記録(テキストどこのページを扱ったか)はあるのですが、
    何を言ったかまでは分からないです。
    実際に前のコマを担当した講師に聞いたうえで授業に入ったコマでも、
    生徒の主張することが全く違っているという不思議な事も起こります。
  13. 担当コマが決まるのが遅い
  14. 上に書いた事情ですので、先週担当したコマを今週担当するとは限りません。
    決まるのが遅くなればなるほど、予習に時間がかけられません。

どこかのタイミングで退塾させてしまうのが私にとって一番堪えたのです。
一度お預かりした生徒を、こちらの力不足で公立高校受験にまで引き上げられなかったということで、
いわば、公立高校入試の成績としては「負け」になるのですが、
それを全く気にしない講師は多いです。
それどころか退塾しない生徒を悪くいうこともありました。
(もちろん本人の前では言いません。)

講師の予習については、講師は教科の知識はもちろんあるのですが、
テキストは改訂もあるのでずっと同じことを授業すれば良いというわけでもありません。
入試の傾向も変わることもあります。
それよりも、より分かりやすく、成績が上がるような授業をするには予習は不可欠です。
また、全体を俯瞰した上で授業をすることで、単元ごとのつながりも意識できます。

これから新学年に向けて塾に通おうかと思っている生徒や保護者には、
こんな裏側があることを知っておいて欲しいです。
特に合格率・合格者数などのキャッチーなものはそのまま受け取らないほうがいいです。
小さく注釈が付いている可能性があります。
注釈が付いているのはまだ、どういう数字なのか読み取れますが、
何も注釈がない場合もあります。

体験授業がどんな授業だったか、(「あれ、今日は○○先生は?」などと塾生が言っていないか?)
合格率ってどんな基準で出しているのか、途中退塾ってあるのかは気にしたほうがよいかと思います。
小学生の保護者の方なら、保護者が授業見学をしてもいいと思います。